好奇心そのまま!

毎回「ちょっと勉強になる」記事を

自分らの言う才能て何や?

「で、でも僕にはお笑いの才能がないって」

するとガネーシャは鼻で笑うように言った。

自分らの言う才能て何や?それは、たまたま今の時代に生きとるたくさんの人から認められたちゅうことやろ?

でも、ワシからしたらそんなんめっちゃ小さいことやねん」

「自分らは 、たくさんの人を喜ばすことだけを 『成功 』て思てるみたいやけど 、たった一人の人間をたくさん喜ばすんも 『成功 』なんやで 」

(以上「夢をかなえるゾウ2」より引用)

 

ガネーシャのこの言葉、好きです。こういう角度で、「才能」という言葉を表現したものには接したことがなかった。

 

才能があるかどうか、多くの人に受け入れられるのかどうか、そんなことは小さなことだ、という。これも1つの価値観にすぎないが、僕は、とても共感できる。大切なひとを大切にする、その価値は、多くの人に認められるということと同じほど、価値あることだと信じている。

 

ガネーシャ、ええこと言うやん。 

夢をかなえるゾウ2 文庫版

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話は少し変わりますが、この「才能」という言葉について、僕が大好きな作品があります。リーガルハイ2の伊藤四郎さんがゲストの回です。明らかにジ◯リの宮◯駿監督のパロディですが、内容は本当に素晴らしかった。

 

リーガルハイ2第7話 伊藤さんのセリフ

「私の目から見たら才能のあるやつなんて1人もいない。どいつもこいつもバカばっかりだ。そもそも才能なんてものはな、自分で掘り起こして、作り上げるものなんだよ。俺だって天才なんかじゃない。誰よりも必死に働き、階段を1つ1つ踏み締めてきただけだ。振り向いたら、誰も突いてきてない。怠けた連中が、ふもとでこう呟く。『あいつは天才だから。』冗談じゃない!ゆとりで育ったのんびり屋どもが本当に嫌いだ。俺より時間も、体力も、感性もあるやつが、なんで俺より怠けるんだ!だったらくれよ。無駄遣いするんだったら俺にくれ。もっともっと作りたいものがあるんだ。俺にくれ!!」

 

伊藤四郎さん、ほんまカッコよかったすなー。前半はとても大切なことだと思いますが、これまでも繰り返し言われてきたことでしょう。「才能ある」「天才」と言われる人にとっては、「お前らより努力してきただけや!」と言いたいことはありましょう。

 

僕が好きなのは、むしろ後半です。ものすごい正直な内心が現れていると思う。

 

人生やり切ったって、そんなことを思うことがあるのかな。突き詰めれば突き詰めるほど、もっともっとやりたいことが出てくる、そういうものなのかもしれない。本人にとっては、もどかしいかも知れない、一概に幸せな人生と言えるのかどうかもわからない。しかし、一生かけても時間が足りないと思うほどに、1つのことにハマることができるのは、羨ましい。

 

自分はまだ、そういうものには出会えていない。仕事には誇りを持っているし、やりがいもある。でも、上の境地には至っていない。

 

葛飾北斎は、「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」で、日本人として唯一86位にランクインした(Wikipedia葛飾北斎」より引用)。彼は、それほどの作品を残したにもかかわらず、90歳の臨終の際、「あと10年、あと5年寿命があれば本当の絵描きになることができるだろう」と言ったと言われている。

 

極めようとするほど、自分の中では永遠に極められない。そういうものなのかも知れません。人生は、面白いですね。

 

北斎決定版 (別冊太陽 日本のこころ)

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  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2010/10/27
  • メディア: ムック