よく体に悪いと言われる「放射線」ってなんだ?
前回、「核外電子」とは何かを調べていたら、β崩壊に行き着きました。β崩壊が起こるとβ線が出てくるわけですが、これは「放射線」の一種です。
放射線は、一方で、レントゲンなど必須の医療技術に応用され、他方で、原発による被曝など、人体への悪影響が問題になっています。
「放射線」について理解が深まると、世の中のことがもっとわかるはず(^^)
そこで、今回は「放射線」について調べてみました。
1. 放射線ってなに?
そもそも「放射線」とは何でしょうか?
電気事業連合会のウェブサイトによれば、以下のように説明されています。
放射線とは、科学的にいうと、高いエネルギーをもち高速で飛ぶ粒子(粒子線)と、高いエネルギーをもつ短い波長の電磁波の総称です。
この中でアルファ線(α線)、ベータ線(β線)、ガンマ線(γ線)、X線、中性子線が主な放射線です。アルファ線、ベータ線、中性子線は粒子、ガンマ線とX線は電磁波です。
https://www.fepc.or.jp/nuclear/houshasen/houshanou/shurui/index.html
また、文部科学省のウェブサイトには次のように説明されています。
放射線は、大きく二つの種類に分けられます。「高速の粒子」と「波長が短い電磁波」です。放射線を出す物質を「放射性物質」、放射線を出す能力を「放射能」といい・・・。
放射線には、アルファ(α)線、ベータ(β)線、ガンマ(γ)線、エックス(X)線、中性子線などの種類があり、どれも物質を透過する能力をもっていますが、その能力は放射線の種類によって違います。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/attach/1314239.htm
「放射線」は、大きく分けると「粒子」と「電磁波」の2種類に分けられ、一般的には高エネルギーのものを意味するんですね。
主な放射線として、アルファ(α)線、ベータ(β)線、ガンマ(γ)線、エックス(X)線、中性子線の5種類が挙げられることが多いようです。
また、放射線を出す物質を「放射性物質」といい、放射線を出す能力を「放射能」といいます。「放射能」という言葉は、ニュースでもよく耳にしますね。これは、放射性物質が「放射」線を出す「能」なので、「放射能」です。
代表的な5つの放射線を、性質により分類すると、次のようになります。
(イラストは文部科学省ウェブサイトよりhttps://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/attach/1314239.htm)
2. 放射線の利用
放射線は、透過性や電離作用(破壊力のイメージ)を持ちます。これらの性質を活かして、様々な用途で放射線は利用されているんですね。
文部科学省の「中高生・高校生のための放射線副読本〜放射線について考えよう〜」(平成30年9月)の7頁には、以下のように説明されています。
エックス線は、目に見える光より波長が短く、紫外線よりさらに波長が短い電磁波です。もともと、「未知」という意味で、「エックス線」と名付けられたそうですよ。未知の力が、今や医療では欠かせない技術になっているわけですから、面白いですね〜(^^)
(文部科学省ウェブサイトより引用)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/attach/1333565.htm
電磁波は、波長が長いと透過性は低く、波長が短いと透過性が高いという性質を持ちます。エックス線は、紫外線よりも波長が短いものです。そのため、紫外線のように肌で吸収されたりしないので、日焼けの原因にはなりません。たしかにレントゲンで日焼けしたことはないですね(*^^*)。
エックス線の透過力はというと、体(臓器)を通り抜けるほどに高く、密度の高い骨などは透過するほどには高くない、そんな透過力です。この透過力が、ちょうどいい塩梅なのです!医療を変えてしまったほどにw( ̄o ̄)w オオー!
レントゲン撮影では、エックス線をフィルムに照射しますが、エックス線の発生装置とフィルムの間に、人間が入ります。僕も人生で何度かやってもらいました。
エックス線を人間に照射すると、骨の部分ではエックス線が透過しないため、フィルムの骨の背後にある部分にはエックス線が当たらず、フィルムが白く映ります。他方、臓器hはエックス線が透過するため、フィルムの臓器の背後にある部分は黒く映ります。これによって、骨の部分が白く、骨がない部分は黒く写るので、骨の形がわかる、撮影できるというわけですね(☆´∀`)//""パチパチ
この技術は、仏像などの中身を「見る」ことにも応用されているようです。国宝を分解するわけにもいかないので、素晴らしい利用方法ですd(>_< )Good!!
レントゲンは、放射線の「透過力」を利用したテクノロジーですが、エックス線の電離作用(破壊力)を利用したテクノロジーも生まれています。放射線治療は、そうした技術の1つです。放射線を癌に照射し、癌細胞を破壊します。これにより、手術でお腹をきらなくてもいいΣ(・ω・ノ)ノ! なんともすごい技術ですねぇ〜
3. 原発事故で問題となる放射線
放射線が人体への影響の仕方は、大きく分けて、
の2パターンがあります。そのため、これらの被曝の防ぎ方も、異なります。
外部被曝であればコンクリートの建物の中に入るなどの対応が必要ですし、内部被曝に対しては、やはり摂取しないということになるでしょう。
環境省のウェブサイトに、原発事故由来の放射性物質について説明がありました。参考に掲載します。
放射線について理解を深め、その恩恵に感謝しつつ、被曝に対しては適切な対応をしていきたいですね。