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「核外電子」って何?「核内電子」っていうものがあるの?

「価電子」についてのWikipediaを読んでいると、次の記述がありました。

原子が化合物や結晶等を構成する際に、それらの化学結合や物性は、その原子内の核外電子が深く関わる。

 

ここで、「核外電子」という言葉が気になったんです。なんで核外電子なんや?核が「原子核」のことだとすると、電子が核外にあることは当たり前なんじゃないか。

 

なぜなら、僕が知っている原子モデルは、『原子核(陽子と中性子から構成される)の周りを電子が回っている』というものであり、原子核の中には電子はないからです。

 

↓こんな感じです

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(真ん中で固まっているのが「陽子」と「中性子」、その周りを飛んでいるのが「電子」)

 

気になったので、調べてみました。

 

そうすると、「電子」のWikipediaに、以下の記述を発見しました。

ベータ崩壊の際に、原子核内で発生してそこから出てくる粒子線に含まれる粒子の内の一つが電子である。中性子が発見される以前は、原子核中に電子が存在するという「核内電子説」が存在したが、ベータ崩壊原子核から飛び出してくる電子は原子核中に存在していたわけではなく、弱い相互作用の結果発生したものが放出されているに過ぎない。

 

これによれば、「核内電子」という概念は、歴史的には仮説として存在したけれど、現在は、その存在が否定されている、ということのようです。「核外電子」という表現は、このような歴史的経緯の名残といえそうですね。あるいは、「ベータ崩壊原子核から飛び出してくる電子」と区別する意味で、核外電子と呼ばれているのかもしれません。

 

逆に、「ベータ崩壊原子核から飛び出してくる電子」は、核外電子とは呼ばないのでしょう。

 

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Wikipedia弱い相互作用」より)